にゃみのぼけぼけ釣り日記
海好き魚好きお酒好き釣り好き!なのにわからない事だらけの 私をどうか立派な海の女に仕込んで下さい。
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2006/09/08(金) 16:45:49

ばあちゃん。

あさっての日曜日はばあちゃんの三年忌。

すっかりこの前まで忘れて釣りに行こうとはりきってしまったババ不幸な孫です。

ばあちゃんは長い事ボケてましたが、それまではにゃみ丸の女将として長年働いてくれていた功労者です。もちろんにゃみ丸創始者。

ばあちゃんの最初に結婚した人は戦死してしまいました。
と言う事は、にゃみ母の父であり、私のじい様にあたる人です。

そして女手ひとつで母を育て・・・と言えば格好いいのですが、
ばあちゃんの両親が健在だったので、その点は人一倍苦労したって程ではなかったらしいです。(本当は大変だったと思うけど・・)

ひいじいさん、ばあさんは小石川区(今の文京区小石川)でいとわた布団店を営んでいました。
わたの打ち直しをしたり、布団の皮(?)を新調したり、普通に布団や糸やわたを売ったりする店です。
今はほとんど見られないタイプの布団屋さんです。

今は布団はある意味使い捨てですが、昔は捨てるって事があまりなかったので必要な店だったんでしょうね。

確かに綿だって打ち直せばまたフカフカになるし、周りの生地を取り替えれば新品同様になるんですよねぇ~元の生地はボロボロの部分を切って残りを座布団にしたり、小物入れを作ったり、雑巾にしたりと最後までモノを絶対に無駄にしないんですものね。

まぁ、布団屋の話はそこまでにして、ばあちゃんの話に戻ります。

そんな家業だったのもあって、ばあちゃんは裁縫は本当に得意だった。
前にお話した着物にしても、全部ばあちゃんが縫った物です。

疎開していた時も、田舎の人達の着物を縫ってあげたり教えてあげたりして、食べ物と交換したりしていたらしい。

母がよく言ってます。
「ちびまる子みたいな赤い吊りスカートをハカマをほどいて作ってもらったんだけど、田舎じゃめったに見ないモノだったからよく引っぱられたりいじめられたりしたわぁ~。」
多分、女の子はうらやましかったんだろうし、男の子は気を引きたかったのだろうけど、当時はイヤだったんでしょうね。

せっかくばあちゃんが作ったのだけど、もんぺの方が良かったらしい。
まぁ、母は母で田舎に馴染もうと必死だったらしいから仕方ないね。

その後、ひいばあちゃんが死に、ひいじいちゃんが死に、ばあちゃんと母は東京に戻った。

女2人で暮らすのに何かいい仕事は?と思っていたら遠い親戚の人に飲み屋をすすめられたらしい。
「キンピラだの切干大根だの作ったり、スルメかなんか焼いてやってお酒を出してあげればいいのよ。」
との簡単なひと言で、右も左もわからないのに2人は店をオープンした(笑)

当時の値段は1合で1級酒が120円2級酒が80円・・だったと思う。

しかし、何もわからないとは言え、ばあちゃんの本来の人好きと芸事好きが目を覚ましたようだった。
ばあちゃんは若い頃から小唄だの三味線が好きだったのだが、そんな事は堅気の娘はやっちゃいかんと抑えられていたんですよ。

それが思う存分発揮できるとなれば、正に水を得た魚!!

その上、ちょっと世間慣れしてない美人(?)親子が飲み屋を開店したとなれば、あっと言う間に常連は増え、あれよあれよと大繁盛!

今では想像できない程に儲かっていたそうだ。

そして今日に至るんですが(ちょっとはしょりすぎ?)

かれこれ10年ちょい前に母が骨折をして入院したのがショックだったのか、そこら辺からばあちゃんがちょっとボケてきた。
それでも、話上手なばあちゃんなので、何だかんだとごまかしが上手くて誰も気づかなかった。

母でさえ私が
「ばあちゃんボケたみたいよ。」
と言ったら
「人の親をボケ呼ばわりするな!あれはボケてるんじゃなくてとぼけてるんだよ!」
と怒られた位だった。

それ位に話が上手いのよ。ばあちゃんは・・

例えば、お客さんの名前がわからなくなっちゃったとするじゃない。
そうすると勝手にトシ坊とかヤマちゃんとかって呼ぶのよ。
それで、お客さんが違うよと言っても
「おまえさんは私が大好きだったトシ坊にそっくりだからトシ坊でいいんだよ。」
とこうだ。
これじゃあお客さんも反論できない。
次にトシ坊すら忘れてコウちゃんとかって呼んだとしても、こういう冗談好きなばあちゃんだから仕方がないと許してくれる。

それからかなりボケて来た時の事だった。
1人のお客さんの所におしんこばかり持っていくんですよ。アハハ
またそれが気の弱いお客さんでね。
「女将、おしんこまだあるんだけど・・。」
「ああ!これは私が食べるんだよ。」
そしてまたおしんこが
「あの・・女将?」
「おしんこは体にいいからほら召し上がれ。」
そしてまた・・
「もうおしんこは・・。」
「ああ!もういらないのかい?こんなに美味しいのに。」
そして・・
「何か他の食べたいな・・。」
「じゃあおしんこでももらおうかね。」

とまあ、こんな感じ。

テーブルに並ぶおしんこ達。
その人はとうとうおしんこをお土産に持って帰りました(笑)

その時は私もたまに手伝っていたので現場にいたのですが、誰が参ったするまで根競べだった。アハハ
私達もお客さんも面白がっていたのでおしんこだらけにしちゃいましたが、他の人にはそんな事しませんよ。
ただ、そうやってボケていても、ああ言えばこう言うばあちゃんなのでほとんどの人が気づかなかったのよ。

だから憎まれ口もハンパじゃなかった!
ボケてるからって我慢しようにも我慢できない程。
めったに会わない親戚とかに電話しちゃうんですよ!
「何にも食べさせてもらえなくてねぇ、まだ仕事させられてるんだよぉ。おまえさんにも会いたいけど小遣いがもらえなくてねぇ、行けないよ。」
そんな事聞かされたら、その人は母の所に電話よこすでしょ?
「うちならいつ来ても何日泊まっても構わないからばあちゃん休ませてあげてよ。」
それで、その事をばあちゃんに言うと
「冗談じゃないよ!そんな人としゃべってもいないし行く訳ないわよ!変な所に追いやろうってのかい!」
結局、母が親戚に嫌味を言われて終わり。

本当にそんな事が続いた時期は悪夢のようでしたよ。
テープにとって本人にも相手にも聞かしてやりたい位でした。

それでも、とうとうちょっとした入院をきっかけに本ボケしてしまい、口数もずぅ~っと減ってしまいました。

ボケるってね、記憶だけがボケるんじゃないんです。
感覚の全てがボケるんですよ。

よく何度食べても食べてないって言うって聞くでしょ?
あれは満腹感がボケてるの。
そして痛みも暑さ寒さもしょっぱいも辛いもみ~んなボケるの。

それでも大好きな唄は最後まで忘れなかった。
母が最初を唄ってあげると続きが出てくる。
民謡番組とかを見せると喜んで見てる。

人の名前も娘も孫もな~んもかんも忘れても唄だけは忘れなかった。

もっと早くそれに気づけば良かったのだけどなぁ~って思う。

ただ、大正生まれのばあちゃんは本当に素直じゃなくてね。
さっきも書いたけど、娘時代に芸事を止められていたでしょ?
だから私達がいくら
「ばあちゃんは唄大好きね~。」
と言っても
「まぁイヤじゃないねぇ。」
と言っていた。
そして、ボケても店!店!ってあまりに店を気にするので
「ばあちゃんは店が大好きね~。」と言うと
「こんなのんべえ相手の商売なんか好きじゃないよ!」
と決して好きとは言わなかった。

私はばあちゃんに「好きだ!楽しい!」って言わせたくてあれこれ考えたけど一度も言わなかったなぁ・・

好き嫌いで物事を決めてはいけない時代の人だから仕方ないのかもね。

ああ、長々と思い出すままに書いてしまいましたけど、そんなばあちゃんが死んでまる2年。

怪談が得意でよく私達に怖い話を怖い顔付きで話してくれたばあちゃん。
面倒臭い事を頼むと知らぬ間に店に行っちゃうばあちゃん。
おしんこにドボドボしょう油をかけるばあちゃん。
正月の鏡餅を砕いて作る揚げ餅が上手だったばあちゃん。
外面だけはやたら良かったばあちゃん。
私達が外出する時は決まって「悪漢に気をつけろ!」と言ったばあちゃん。

私がもう少し早く大人になってれば、もっと色々やってあげられたのかもしれない。

恩返しできなくてゴメンね。

その分ばあちゃんが一番大事にしてた母ちゃん大事にするからね。
あの世で戦死したじいちゃんに三味線と唄でも聞かせてやっててよ。

あ~あ~湿っぽくなっちまった。てやんでい!

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::この記事へのコメント::
コニーさんへ
粋かどうかは別としても江戸っ子でしたね。どんな時代になっても変わらずに飄々と生きていた人でした。

ハル父さんへ
じゃあ本当は江戸っ子なんですね!
私はまたエロっ子だと・・ププ

仁兵衛丸さんへ
親に怒られてもばあちゃんがかばってくれたり、おこづかいくれたり、
一緒に暮らしてて良かったと思いますよ。

Kさんへ
今でもばあちゃんファンが来てくれるのは嬉しい事です。
今で言うとカリスマ性っていうのかな?みんなに愛されてましたよ。


2006/09/09(土) 13:30:05 | URL | にゃみ #-[ 編集]
にゃみ母の懐の深さに、先日お伺いした時に感動したけれども、
おばあ様も人物だったですね。
2006/09/09(土) 00:17:42 | URL | K #-[ 編集]
今の社会は悩みごとが昔とちがいますね。
贅沢な世の中です。
お年寄りと同じ屋根の下で暮らしたことのある人って今は貴重なのかも。
v-510
2006/09/08(金) 21:16:43 | URL | 仁兵衛丸 #-[ 編集]
江戸っ子の粋を感じますね。
そういうワタシも実は下町。
本籍だけは今も下町。

育ちは山の手ですわよん。
2006/09/08(金) 19:05:38 | URL | ハル父 #-[ 編集]
なんかしみじみと読ませてもらいました。おばあちゃんボケてたいへんなこともあったみたいですけどほんと江戸っ子だね。なんかテレビドラマにできそうな。
2006/09/08(金) 17:20:22 | URL | コニー #-[ 編集]
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